女性にとって葬儀用のバッグは、一度購入すれば10年、20年、あるいはそれ以上の長期間にわたって使い続けることになる特別なアイテムです。そのため、安易な流行り物や安価な合皮製品ではなく、将来の自分を見据えた「一生もの」としての投資を行う価値があります。上質なバッグを見分けるポイントは、まず「仕立ての良さ」です。持ち手の付け根の縫製がしっかりしているか、被せを開閉したときに型崩れしないか、そして自立したときの安定感はどうか。これらは実際に手にとって確認する必要があります。特に日本の職人が手掛けるフォーマルバッグのブランドは、日本の湿気や使用頻度を考慮した堅牢な作りが特徴で、親子二代で受け継ぐことも可能です。素材については、前述の通り布製(トリアセテートや高級ポリエステル、ホースヘアー)が理想的ですが、これらは長く保管していると湿気によるカビや虫食いの被害に遭いやすいという弱点もあります。メンテナンスの基本は、葬儀から帰宅した際、すぐにクローゼットに仕舞い込まないことです。まずは乾いた柔らかい布で表面の埃を優しく落とし、数時間は風通しの良い日陰で陰干しをして、バッグの中にこもった湿気を飛ばします。その後、型崩れを防ぐために柔らかい紙(不織布など)を中に詰め、付属の保存袋に入れて保管します。ビニール袋に入れて密閉するのは厳禁です。湿気がこもり、素材の劣化を早めます。また、数年に一度は中身を確認し、不具合がないかチェックしましょう。特に持ち手のコバ(端)が剥げていたり、被せの裏側の接着が弱くなっていたりすると、いざという時に恥ずかしい思いをすることになります。良いバッグを長く使うことは、自分の人生の節目を大切に扱うことと同義です。高価な買い物になるかもしれませんが、それによって得られる安心感と、いかなる場面でも凛としていられる自信は、金額以上の価値があります。自分の人生に寄り添い、数々の別れの場面で自分を支えてくれる、そんな「相棒」と呼べるような1品を、余裕のあるときにじっくりと選んでおくことを強くお勧めします。
一生ものの葬儀用バッグを選ぶための投資とメンテナンス