葬儀が無事に終わり、遺骨が自宅に帰ってきた後、遺族には「葬儀そのもの」と同じくらい、あるいはそれ以上に煩雑な遺品整理と事務手続きという第2の戦いが待っています。ここで「必要なもの」をあらかじめ把握しておかないと、役所や銀行を何度も往復することになり、疲弊してしまいます。まず、事務手続きにおいて必須となるのは、故人の除籍謄本(戸籍謄本)と、相続人全員の印鑑証明書、そして実印です。不動産の名義変更、銀行口座の凍結解除、自動車の廃車手続きなど、ほとんどの場面でこれらがセットで求められます。特に除籍謄本は、出生から死亡までのすべての履歴が必要になることが多く、本籍地が遠方の場合は郵送での取り寄せに時間がかかるため、葬儀後すぐに手配を開始すべき「必要な書類」です。次に、遺品整理において必要なのは、根気と、そして「仕分けの基準」です。故人の愛用品をすべて残しておくことは物理的に不可能です。形見として残すもの、売却するもの、寄付するもの、そして処分するもの。この判断を下すために、生前に故人と「何を残してほしいか」を話し合っておくことが理想ですが、それが叶わなかった場合は、親族間で十分に協議する必要があります。デジタル遺品の項目でも述べましたが、スマホやPCの中にあるサブスクリプションサービスの解約、公共料金の支払い者変更、SNSの削除なども忘れてはいけない事務手続きです。また、忘れがちなのが「お礼状」の送付です。葬儀に参列してくださった方、香典をくださった方、供花を送ってくださった方々に対し、無事に葬儀を終えた報告と感謝を伝えるためのハガキや手紙が必要になります。さらに、四十九日の法要に向けて「本位牌」の注文や、お墓への彫刻の依頼も、この時期に行うべき「必要な手配」です。葬儀後の手続きは、故人がこの世界に残した「社会的な足跡」を1つひとつ丁寧に消していく作業です。これには数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。しかし、これらの手続きを1つ完了させるたびに、遺族の心の中では故人との「新しい関係」が定着していきます。事務的な作業の中にこそ、故人の人生を肯定し、その重みを引き受けるという、愛の最終形があるのかもしれません。必要なツールを揃え、1つずつチェックリストを埋めていくその歩みは、そのまま、あなたが悲しみを乗り越えて未来へと進むための歩みなのです。
葬儀後の遺品整理と事務手続きに「必要な書類とツール」の全容