スマートフォンの普及は、私たちのコミュニケーションの形を大きく変えましたが、その波は、葬儀における弔意の示し方にも及んでいます。近年、注目を集めているのが、「デジタルの寄せ書き」です。これは、オンライン上の専用サービスやプラットフォームを利用して、遠隔地にいる人々が、時間や場所を選ばずに故人へのメッセージを書き込めるというものです。デジタルの寄せ書きには、従来の紙の寄せ書きにはない、多くのメリットがあります。まず、地理的な制約がないことです。海外に住んでいる友人や、転勤で遠くへ行ってしまった元同僚など、物理的に集まることが難しい人々でも、気軽に参加することができます。代表者が色紙を回覧する手間もかかりません。URLを共有するだけで、誰もが自分のタイミングでメッセージを寄せることができます。また、表現方法が豊かな点も魅力です。テキストメッセージだけでなく、故人との思い出の写真をアップロードしたり、動画メッセージを投稿したりすることも可能です。故人の笑顔の写真や、楽しかった旅行の動画などが集まれば、それは静的な色紙とはまた違った、動きのある、感動的なメモリアルアルバムとなります。完成したデジタルの寄せ書きは、専用ページのURLをご遺族に送ることで共有できます。ご遺族は、スマートフォンやパソコンで、いつでもどこでも、寄せられたメッセージを読み返すことができます。葬儀後の慌ただしい日々の中で、ふとした瞬間にそれを見返す時間は、きっと大きな慰めとなるでしょう。もちろん、手書きの文字が持つ温かみや、一枚の色紙という「モノ」として残る価値も、決して失われることはありません。しかし、特に故人の交友関係が全国、あるいは世界中に広がっていた場合、このデジタルの寄せ書きは、より多くの人々の想いを一つに束ねるための、非常に有効で、現代的なツールと言えるでしょう。