現代社会において、メールやLINE、FacebookといったSNSは、非常に便利なコミュニケーションツールです。訃報やその後の報告を、これらのデジタルツールを使って行う機会も増えてきました。しかし、葬儀という極めてデリケートな事柄を伝える際には、その手軽さゆえに、相手に失礼な印象を与えてしまわないよう、細心の注意が必要です。まず、メールやSNSで葬儀終了の報告を送る相手は、親しい友人や同僚など、ある程度気心の知れた間柄に限定するのが賢明です。目上の方や、正式な報告を重んじる親族などには、従来通り、電話やはがきで伝えるのが無難でしょう。文面を作成する際には、簡潔さを心がけつつも、丁寧な言葉遣いを忘れないことが大切です。件名には「〇〇(自分の名前)です」「〇〇の葬儀のご報告」など、内容がすぐにわかるように記します。本文では、まず誰がいつ亡くなったかを明確に伝え、葬儀を執り行ったことを報告します。「先日父〇〇が永眠し、昨日、葬儀を滞りなく執り行いました」といった形です。家族葬などで事後報告となった場合は、「故人の遺志により、葬儀は近親者のみで済ませました」と理由を添えます。そして、生前お世話になったことへの感謝や、心配してくれたことへのお礼を必ず述べましょう。絵文字や顔文字、派手な装飾の使用は、たとえ親しい相手であっても避けるべきです。また、一斉送信機能を使う場合は、送信先リストに間違いがないか、複数回確認することが重要です。特に、グループLINEなどで報告する際には、そのグループのメンバー全員に知らせて良い内容なのかを、一度立ち止まって考える冷静さも必要です。デジタルツールは、情報を迅速に伝えられるという大きな利点がありますが、その一方で、言葉の温度感が伝わりにくいという側面も持っています。だからこそ、いつも以上に言葉を選び、相手への敬意と感謝の気持ちが伝わるような、誠実な文章を心がけることが求められるのです。
メールやSNSで葬儀終了を伝える際の注意点